にちプチ 【Nichi-Petit】

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【脛骨・腓骨 骨折】骨折ダイアリー Vol.4

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↓前回までの骨折ダイアリー↓

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中二病棟

 2016年4月30日 15:00未明

 看護師さんが点滴を交換しながら俺に話しかける。

「今日は奥さんが夕食を持ってきてくれるんですか?」

「そうなんですよ」

「いい奥さんですね」

「えへ」

ああ、俺この人好き。いたって普通のやり取りができる。
というか、看護師さんはほとんどいい人なの。

唯一リーダー格のボチャ子(あだ名)のみが人を逆なでする感じ。
この事は、後々我が妻にも友人にも禍根を残す事となるのであった。



 暇なのでkindleで吉川英治の三国志を読んでいた。
大丈夫たるもの、負傷していても書をよく読み、感性を磨くことは忘れてはならぬのだ。

なんてことを考えながらダラダラとしていたら、嫁がお見舞いに来た。

来た!!

 やっぱり外の人間に会うと、新鮮な気持ちになる。
部屋からは外の景色も見えないし、空気も澱んでいる。

何よりビビったのは、院内の汚さだ。

せめて廊下は綺麗にしてほしいところだが、なんかわけのわからん箱が転がっていたり、色々な機材が廊下に置きっぱなしになっていて、道を塞ぎそうになっている。

今までいろいろな病院にお見舞いに行ったり、検診に行ったりしたが、その中でもトップクラスの汚さだった。トイレ流れないし



嫁曰く、昨日お見舞いに家族で来た際も、病室の空気は異常だったらしい。

澱んでるとかいう言葉一つじゃ表現できず、まあ一言で言うと臭いんだが、それに慣れてしまっていた自分が悲しかった。

「はい、これご飯とお肉ね。こっちには玉ねぎのサラダ。」



おお!!!!! なんか食べなれたメニューが並ぶ!!!!

しかもほとんどが酒をお供にしたくなるメニューだ!!



しかし今は療養中。ましてや入院という身なので飲酒は避けなければならない。
ちょっと寂しいが、それでも病院食に飽きた俺は目を輝かせながら食べ始めた。



・・・しかし・・・


「うっ・・・!」

「どうしたの」

「頭が・・・!」

「えっ」

「ぐああああ・・・!」



リアルにこんなやり取り。

静まれ! 俺の頭よ静まれッッ!!



 調べて見たところ、どうやら腰椎の麻酔注射の典型的な副作用らしく、麻酔注射した個所から脳を保護している髄液が多少漏れ、そのせいで脳圧が下がり、頭痛になってしまうらしい。

従って、起き上がると重力で髄液も下がり脳圧が下がるが、横になっていればさほど問題ではない。
改善法はなく、髄液が再生する1~2週間は我慢するしかないらしい。



えぇ・・・その期間ずっと中二状態なんですか・・・

だが食べないと治るものも治らない。俺は無理やり食べる。

だが咀嚼するたびに、というか座っているだけでもズキンズキン頭に響く。ついでに頸椎にも鈍痛が。

くっ・・・!!

ぐああ・・・!!



これを動画に収めていたら相当滑稽だったことだろう。

結局大して食べることができないまま食事を終えてしまった。



だがこのあと頭痛よりつらい試練が俺を待っていた。



涙ボロネーゼ

 2016年4月30日 19:00未明

 まだ入院4日目だというのに、俺の心はだいぶ摩耗している。
慣れない怪我に慣れない場所、そして慣れない人間関係。

会いたくねーって時にあの女院長とボチャ子は現れる。しかも嫁のいない時がエンカウント率が高い。



 何より腹が立つのは、消毒の時間に包帯をとるのだが、「5分くらいで院長が来る」と言うのに、20分待っても全く来ない。
ただ待ってる20分なら良いのだが、骨折して、傷もまだ塞がらないまま且つ水泡もできていて裸の足は下に置くことができない。

ナランチャのポーズの様なまま、待ち続けなくてはならない。腹筋がっ!



 そんなことを考えていると20:00の面会時間の終了はすぐ訪れる。
自分一人の時は1時間が3時間くらいに感じるのに、誰かいるとあっという間な気がする。



おうちかえりたい・・・


せめて、せめてこんなところからは早く転院したい。
だが今は連休中。なかなか話は進まないんだ。



嫁もすっかり帰り支度を済ませ、部屋を出ようとする。

ぶわっ・・・



自分の意図しないタイミングで大粒の涙が出る。

嫁「どうしたの」

俺「うう」

嫁「泣いてるの?」

俺「うう」

嫁「うう」



こんな恥ずかしいやり取りがあるだろうか。大の大人が涙で言葉が出ないのだ。
怪我のつらさもさることながら、この入院は俺に人のありがたみと冷たさの両面を教えてくれた。

それからというものの、毎日面会時間の終わるころには大粒の涙を流す俺。

普段泣くことがない分、涙が溜まってたのか?

惜しまれつつ退出する嫁。まあ仕方ない

もし泊まり込みできたとしても、こんなクソ硬いベッドと粗末な椅子しかない部屋で一夜を過ごしてもらうほうが忍びない。



泣いちゃった割には切り替え早く、水分補給に勤しんだ。

何しろ、髄液が不足しているから頭痛が半端ない。

せめて頭痛だけでも解消できるように、俺はポカリを飲みまくった。



こういう時は、普通の水よりスポーツドリンクのほうが吸収が良いらしい。

しかも、ポカリは大好きなのでかなりの量を摂取することができる。
むしろ、ポカリがそのまま髄液になってくれても構わないくらい好きだ。

サンキュー大塚製薬。



なんだかんだで夜の消灯後に嫁と少し電話する。また少し泣く。

これが手の骨折なら数日休んで仕事復帰して、家でのんびりやってんだろうなぁ・・・
なんて全く生産性のないことを考える。足の怪我は本当にめんどくさい。



何だかんだで疲れているらしい。22:00回る前に眠気が襲ってきた。よし、もう寝るか。なにこのシリアス回

明日に不安を感じつつも、俺はそっと目を閉じた。


五月病(物理)

 2016年5月1日 6:30

 いつものようにおしぼりで顔を拭く朝がやってくる。
月も変わって5月か。だが俺の心は骨折した4月27日で止まっている。

世間はゴールデンウィーク真っ只中。せめて家で過ごしたかったなぁ・・・
憂鬱な表情を浮かべながら窓を見る。景色見えないけど



五月病ってあるじゃん。あのなんかやる気でないやつ。今回はあれが酷かった。骨折のせいだな
なーんもやる気起きないの。っていうかなーんもできないんだけど

なんて一人でボケーっと考え事している間にまたあの頭痛がやってくる。
グゥゥッ・・・くっ・・・!!



俺の脳みそは相変わらず封印されし魔物を抑えることで精いっぱいの様で、朝ごはんは食べられず返してしまった。

とりあえずリハビリというか、松葉杖の使い方は教わっているので、身の回りのことはなるべく自分でやろうと頑張る。
トイレ行ったり歯磨いたり。人間が日常生活でやるルーティーンは全てだ。
まずはトイレに行こうと松葉杖に捕まって立ち上がる。その瞬間



うおおおおおおおおっ!!(小声)



思わず杖を放して座り込む。足がたまらなく痛い。
骨折や縫合傷の痛みではなくて、血が足に溜まってパンパンになる感覚。なんか足が破裂するんじゃないかって感じの痛み。
実はこの痛み、結構あと引く痛みで、6月初頭まで悩まされることになる。
まあそんな経緯があって立ったり座ったりを繰り返しながら徐々に足の血液の循環を整えてやっと松葉杖で発進できるのだ。



そんなこんなで悪戦苦闘しつつトイレをすますと、今度は消毒の時間だ。
よりにもよってあのボチャ子が今日の消毒前の包帯交換担当だった。
もうこの時点で嫌な予感しかしない。顔も不機嫌そうだし。



いつも思うのだが、なぜそんな顔しかできないのだろうか。
暇があれば他のお年寄りの患者さんにも怒ってるし。

せめて微笑でも浮かべときゃ、もし何かミスった時もいくらでもリカバリーが利くのに。女は愛嬌って言うじゃないのさ。自分にワケのわからん枷をつけるボチャ子に若干の同情を感じながら包帯を取られ、足を拭かれる。



ノォオオォオオオオオオ!! 同情撤回!!!!



ボチャ子は足をこれまでの看護師さんにないくらい乱暴にゴシゴシ拭きながら、傷口までゴシゴシ攻撃で攻めてきやがった。
思わず「んあぁ!」と声が出る。毎回マキバオーみたいな声。



っていうか傷口におしぼりの繊維がてんこ盛りじゃねぇか!!
ちょっと切れ気味にボチャ子を見るが、とっとと消毒の先生を呼びに出てしまった。
いてえなチクショウ・・・だがこの消毒の先生も結構な曲者だったのである。

「はいはいこんにちは」



颯爽と病室に入ってきたのは結構なお爺ちゃん。ドクターとしてはお爺ちゃんすぎるくらいのお爺ちゃんであった。
若干ここで不安を覚えるのだが、ふと思い出した。

あ、この人麻酔の先生だ。



確か自分の手術の時もこの人に麻酔してもらった気がする。のちにホームページの担当医を見ても、麻酔医としてクレジットされていた。
だがこの人、麻酔医としては腕がいいのだろうが、消毒の時はお粗末なものだった。



まず消毒のコットン押し当てすぎ問題。傷口からまた血が滲んできてるじゃねえかwwww
そして血が出てる個所にはただのガーゼじゃなくてうっすいうっすい化学繊維っぽい素材の布をそっとあてるんだけど・・・

痛い痛いいいいい! 先生! 布固定するのに傷口触ってる!! しかも押し当てすぎ! 手も震えてるし!


この先生、まだ俺に麻酔が効いているとでも思ってるのだろうか。
結局震える手のせいで押し当てた布落っこちるし。もうわけわかめ・・・

心の中で思うさまギャーギャー言いながらも、表にはなんとか出さず(出てたかも)地獄の消毒は終わった。
もう二度とこの二人のコンボはご免だと思いながら俺は昼寝した。

↓続編↓

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