にちプチ 【Nichi-Petit】

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にちプチ 【Nichi-Petit】

日常のプチ情報やプチンときたことを書きなぐるブログ

官能小説を1ミリも知らない俺がそれっぽく桃太郎を書く

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プロローグ

 むかしむかしある集落に、勤続40年を迎えても一向に出世の話のないおじいさんと、対してこの夫にしてなぜこの妻とも言うべき色香を放つ妖艶なおばあさんが暮らしていました。

 

ある日おじいさんは山へ芝刈りに行くという口実を作り街中の公園へ、おばあさんは川へ密会に行きました。

そう、おじいさんはこの就職氷河期の最中にリストラされてしまったのです。

長年の仕事の辛さに身体もやられてしまい、夫婦の営みははるか昔の出来事……

 

そんな夫を健気に支えるも、やはりおばあさんも女。身体のそこから湧き上がる“うずき”や“乾き”などは到底我慢できるものではなく、彼女の身体にもまた、限界が訪れていた。

「ああ、おじいさん。あなたは私が女であることも遠いかなたに置き去りにしてしまったの……?」

 

おばあさんはそんなことを思いながら川のほうへ歩いていったのでした……

心の中でおじいさんを裏切ってしまった背徳感に包まれながらも、おばあさんはときめきを隠せない面持ちでした。

 

すると川上のほうから、たわわに実った桃がどんぶらこ、どんぶらこと流れてきたのです。

「あら、何かしら」

 

おばあさんの胸の高鳴りもつかの間、いよいよ桃はおばあさんの足下へと近づいてゆきます。

その姿はまるで、たくましい肉体を湛えた男性の臀部のようでおばあさんの心を捉えるには十分な器量を持っていました。

「まあ、なんて大きなお尻かしら」

 

ハッと出た言葉であった。彼女にとって、その大きな“果実”はもはや桃以外のいやらしい“モノ”だったのだ。

おばあさんは密会相手のことなど心の片隅にも留めず、一目散にその桃のようなモノを持ち帰った。

 

高鳴る鼓動、(川の水で)濡れる身体、荒くそして切なく刻まれる息……

間違いなく彼女は“それ”にときめいていた。

家に帰るとおじいさんがいた。

 

彼は疲れ、憔悴しきった顔で座り込んでいる。おばあさんを見た瞬間に彼の表情は固まる。

「ばあさん……川に洗濯に行ったはずじゃ……?」

 

長年夫婦の会話など無に等しかった。

久方ぶりにおじいさんは自らおばあさんに言葉を投げかけた。

彼にとってはとても気まずい、まるで不貞の現場を見られたかのような心境である。

しかし、おばあさんの胸の高鳴りは彼に質問の機会を与えなかった。

「おじいさん、桃を拾ったわ。」

そう、桃である。

 

「桃色」とはこの桃のための言葉であるかのような鮮やかで、どこか憂いを帯びたピンク色、川の水が優しく滴るふっくらとした弾力……「桃のような尻」ではなく「尻のような桃」である。

自分の責を咎められずホッとするおじいさんを尻目に、おばあさんは早速包丁を持ち出します。

 

包丁を持ち、桃を見るおばあさんの顔は、背筋も凍るほど冷たい眼差しでした。

「これからこの桃は私の玩具」

そう言わんばかりのサディスティックな視線。

もしこの桃に思考力が宿っていたならば、視線を通じて得られる快楽に全てをまかせ、

自分が桃であったことすら取るに足らない事実だと快感に身をよじることだろう。

 

その刹那、おばあさんの放つ一閃が桃を通り抜ける。

“ジワ”、いや“ジャリッ”だろうか。

言葉で表すにあまる壮絶な音を立て、桃は縦に分断された。

 

かつて一つであった左右の桃をつなぎとめるため、必死に形を保とうとする果肉。

しかしおばあさんの手はそれを許さず、桃の亀裂から奥へ、奥へと無慈悲に手を挿入して行く。

 

20cmほど指が進んだ頃だろうか。

中に人のような温かさと、助けを求めるようなか細い“声”が聞こえた。

違和感を覚えたおばあさんは、あわてて桃を引き裂く。

するとどうだろう、中から元気な男の子の赤ちゃんが出てきたではないか。

 

おじいさんとおばあさんの間には子供がいなかった。

そして自身が母親になることなど、夢にも思っていなかった彼女であるが、その赤子を見た瞬間に身体を突き抜けるような衝撃に襲われた。

それは「かわいい」だとかいう安直な感想でも「なぜ桃から赤ん坊が?」という現実的な疑問でもなく、間違いなく彼女の子宮を通じて感じる“母性”の芽生えであった。

「ああ、私、この子を育てるわ」

 

母となった彼女に言葉も、考える時間すらも要らなかった。

桃から生まれたその赤子は「桃太郎」と名づけられ、この二人の老人の下ですくすくと育った。

 

おじいさんは再就職先も見つかり、あの日おばあさんが洗濯に行かず何かをやっていたこと、そして自分が職を失って妻であるおばあさんに嘘をつき続けていたことを禁忌とし、以後死ぬまで話さなかったそうだ。

 

猛威を振るう鬼

 桃太郎が齢15になるころ、その村では悪逆の限りを尽くす鬼の襲撃が囁かれていた。

事態を重く見た桃太郎はおじいさん、おばさんに相談する。

「私を鬼退治に出してください。」

 

驚く二人に反して、桃太郎は冷静であった。

元服を迎えた彼の顔は精悍そのもので、女体を知らずとも、立派な一人の「男」であった。

桃太郎の固い意志を察したおばあさんは、何も言わずきび団子を渡した。

 

いつかこのようなことが起こると覚悟していたのだろう。彼女の意志もまた固い。

その目は、過去のような欲情に流される裏切りの女狐ではなく、一人の強き母であった。

おじいさんもまた、時代に流され自分を見失った無様な男ではなく、大きな器を持つ父であった。

 

二人の激励を受け、桃太郎は旅立つ。

固く結ばれた一文字の口。齢15にして、その男が帯びる“香気”は、数え切れぬほどの女を魅了し、果てさせるに足るものであった。

自身の人生とも言うべき鬼が島への道を、桃太郎はゆっくりと歩み始めた。

 

すると物陰から3つの影が飛び出した。

一つは犬、一つは猿そしてもう一つはキジであった。

「桃太郎さん、お腰につけたきび団子、ひとつ私にくださいな」

3匹は口々に桃太郎にそう懇願する。

 

桃太郎は考える。そして重い口を開いた。

「この団子がほしければあげましょう。しかしそのためには鬼退治にお供してもらわねばなりません。」

 

「わかりました」

3匹の意志は固かった。

まるできび団子などもらわなくとも、地の果て地獄の果てまで命を共にするといわんばかりの眼光である。

 

「もう一つお願いをしてよろしいでしょうか」
3匹は続けざまに口を開く。

 

「なんでしょう」

 

「もし鬼を退治したら、私たちを一生あなたのお傍に置いていただけませんか」

 

「なぜ」

 

「桃太郎という類まれなる“雄”を見てしまった以上、私たちは他のオスなどをもう受け入れることなどできません。生ある限りあなたに身を捧ぐまででございます」

 

「なんと……」

桃太郎は驚いた。3匹はメスだったのである。

 

「いくら動物といえど、おなごをいくさ場に連れていくわけにはいかぬ。きび団子はあげるから早々に家に帰りなさい。」

 

「たとえ桃太郎様がなんと仰ろうと、私たちはこの身を捧ぐ覚悟でございます。だめと言うなら今すぐにでも心の臓を……」

 

「やめなさいっ」

 

桃太郎は声を荒げ3匹を止めた。

しかしその声は深く3匹を包み込む優しく身体に響き渡るバリトンで、ますます彼女らの“奥”を激しく揺さぶる。

3匹にとってきび団子などただの口実に過ぎず、既に桃太郎の虜であった。

 

桃太郎はもう迷わなかった。

忠誠にも、愛情にも似た彼女らの自身を慕う心に、彼自身もまた心を揺さぶられずにはいなかった。

気付かぬ間に彼の“それ”は激しく怒張していた。果たしてそれは情欲への乾きかそれとも鬼への闘志か……

「あぁ……桃太郎様」

思わず犬が歩を前へ進める。

 

「いかんっ」

その行いを桃太郎は一喝した。

 

「私はお前たち3匹を平等に愛すなどできぬ。誰かが必ず悲しい思いをしなければならんのだ」

 

「覚悟しております」

 

「お前たちの意志は分かった。だが、今は鬼を誅さねばならぬ。見よ、あの鬼が島には、我らの憎むべき鬼がおる。わかるな?」

 

「はい、まずはあやつらを……」

 

 

鬼が島潜入

 キジの偵察をして鬼が島の要害は明らかとなった。

なんと彼らにも女子供がおり、人間と同じような生活を営んでいた。

 

「なんとかあの守りを突破しなければ……」

 

桃太郎は悩んだ。そこへ犬が進言する。

「私が門の鬼を引きつけておきましょう。その間に中へなだれ込むのです。」

 

「そんな危険な」

 

「私しか適任はおりません」

 

「わかった。だがくれぐれも無理はするなよ」

 

「心得ております」

 

そう言うと、犬は鬼の立つ門に歩を進めた。

門の前には、大の男も小便を漏らし命乞いをするほど大きな大きな鬼が立っていた。

 

「何だ貴様はっ」

その大鬼は犬に向かって怒鳴った。

犬は恐れながらも平静を装い言った。

 

「わたくしを大鬼様のお傍に置いてください。肉親もいないこの雌犬、行くところなどないのです」

 

「ううむ……」

大鬼は悩んだ。彼とて自身に寄せられる好意に鈍感ではなかった。

それは昔、自分が修羅となる前に傍にいた犬の記憶でもあった。

大鬼がまだ小鬼だった頃、彼は犬を飼っていた。ちょうどこの雌犬と同じような背恰好をした犬であった。

 

彼は飼い犬に対して精いっぱいの愛情を注いだ。それはもう、種を超えた情愛さえ感じるほどに。

だが悲劇は急に訪れた。

その犬は別の雄犬達にさらわれ、挙句の果てに彼の目の前で情事を見せつけるという屈辱……

 

彼は震えていた。それは怒りか、嫉妬か、それともその両方か……

1匹の雄の大犬になすすべもなく愛犬を嬲られるという事件が、彼を無慈悲な大鬼へと変えてしまった。

その愛犬はというと、命を奪われることはなかったが、その後は抜け殻同然、以後一度も尻尾を振ることなく5年前に亡くなってしまった。

 

記憶に苛まれる大鬼に犬は優しく言う。

「これまで色々おありになったのですね、どうぞわたくしに心をお開きください」

 

「本当に、お前は、わしを……」

 

「ええ、なんでもいたしましょう。あなたの心がこの場所に戻ってくるのなら」

 

「何と言うことだ! あの売女めっ!」

桃太郎は憤怒した。さっきまで自分に永遠の愛を誓った者が、いとも簡単に別の情愛へ傾いてしまったからだ。

だが他の2匹はそれを諌める。

「いけません桃太郎様!」

 

「はなせっ」

 

「はなしません。犬はあなたへの情愛を捨てたのではありません。あそこで大鬼に見せるは、慈悲の心。決してあなたへの裏切りではありません」

 

「しかし、私以外の者へあのような顔を見せるなどっ……」

 

「どうか心をお静めください。これも鬼を誅すれば済むお話……」

 

「わかった。あの犬を信じよう。」

 

そういうと桃太郎と2匹は鬼が島の内部へと侵入した。

驚くことに島の内部には村があり、まるで人間の営みのように、鬼たちもまた暮らしていた。

 

「あの大きな城の中に鬼めらの棟梁がいるに違いない」

桃太郎はすぐにその城へ走った。

 

「誰だっ!」

走る桃太郎たちを咎める声がした。

青鬼である。キジは驚いて飛び去ってしまった。

 

「何だお前たちは。ここで何をしておる」

 

桃太郎たちは動くことができなかった。

とっさに猿が前に出て口を開いた。

 

「私たちは鬼の棟梁にこの桃太郎と言う人間を献上しに参ったのです」

 

「なっ」

桃太郎は絶句した。犬ばかりか猿までも自分を裏切るのか、と。

 

「ほう、桃太郎とな。最近人間の村で有望な青年が旅立っておるとは聞いたが、なんのことはない、ただの青二才ではないか!」

 

「青鬼が我に青二才とな! 笑わせてくれるわ。そして猿! 貴様はこの桃太郎をよくも鬼どもに売ってくれたな。貴様など売女にも劣る下賤のものよ!」

桃太郎は激しく猿を罵った。猿はそんな桃太郎の言葉を制し、体を縛りつけた。

 

「言いたいことはそれだけか。おなごを知らぬ男の嫉妬は見苦しいのお!」

猿は心底桃太郎を蔑んでみせた。桃太郎は涙とも鼻水ともいえぬ液体をふり撒き嗚咽していた。

青鬼は満足げに「この小童を赤鬼様のもとへ引っ立てい!」と勇んだ。

 

桃太郎は連れ行かれる道中、犬と猿への恨みつらみを延々と唱えた。

犬と猿の裏切り、自分を置いて逃げたキジさえももう味方ではなかった。

「やつらを許すことはできん。鬼どもを誅した後は、奴らも……」

激しい嫉妬の炎を燃やす桃太郎。そしてついに赤鬼の元にやってきた。

 

「貴様が桃太郎か」

赤鬼は威厳を保ちそういった。

 

「貴様を誅するため、俺がどれだけの鍛錬を自分に課したかわかるか」

桃太郎は縛られたままでも強気に言い放った。

 

「鬼を誅するため味方を引き連れたつもりが、こやつらは貴様の味方であったようじゃ。まったく、女とは誠に解せん存在である」

 

周りの鬼たちも笑いながら酒を飲んでいた。もはや桃太郎は惨めな“見世物”であった。

 

一頻り酒を飲み終え気分が良くなると、鬼は桃太郎に言った。

「いくら貴様が男として優れていようが、それは人間の中での話だ。我ら鬼に貴様らが敵うわけ無かろう。どれ、ひと思いに一撲で眠らせてやろう。」

 

桃太郎は眼を閉じながら精神を研ぎ澄ました。

ここで自分の人生が終わる。おじいさん、おばあさんは元気だろうか?

村のみんなはこれから大丈夫だろうか?

そんな事を考えていた。

 

そうして鬼がゆったりと棍棒をふりあげた瞬間、猿が赤鬼の顔めがけて飛びだした。

彼女は赤鬼の体に飛びつくと、顔を引っ掻き、視界を奪った。

 

「今です! 桃太郎様」

猿は桃太郎に言った。

 

「なにっ」

 

「縄は簡単に解けます! 今こそ赤鬼を誅する時です!」

 

桃太郎はその瞬間すべてを理解した。縄を解くと、腰に差した刀で赤鬼を一閃した。

赤鬼はどうっと倒れ、それでもなお取り乱すことはなかった。

他の鬼たちは阿鼻叫喚、まさに混乱のるつぼであった。

 

「棟梁さえ誅してしまえば、他の小兵など恐るるに足らず! 今こそっ」

桃太郎がとどめの刀を振り上げた瞬間、一つの影が前を横切った。

 

「お待ちください!」

 

それはキジであった。

 

「なんのまねだっ」

 

「この赤鬼の罰を、どうか止めてはいただけないでしょうか」

 

「この裏切り物が、なにを寝言を言っているかっ」

 

「わたくし、この赤鬼には恩がありまする」

 

「どういうことだっ」

 

赤鬼はまだ静かに聞いている。ようやく他の鬼達も混乱が収まり、皆がキジの言葉に耳を貸す。

 

「わたくしは昔、怪我をして動けないところをこの赤鬼に拾われ、しばらくここに囲われておりました。」

 

キジの言葉にかぶせるように赤鬼が怒鳴る。

「それはお前が人間の村を偵察するのに都合が良かったから拾ったまでの事。」

 

「それでも恩は恩です。私を立派に飛べるようにしていただいた事は今でも忘れません。」

 

桃太郎もようやく冷静になった。

「鬼が島の場所や作りに詳しいのはそのためだったのか。しかし、なぜ鬼退治をする私についてきたのだ。」

 

「私は鬼と人間の和睦をさせたかったのです。人間の中にも桃太郎様のように素晴らしい方もいらっしゃる……あなたたちは気付いていないかもしれませんが、私に愛情を教えたくださったのはお二人なのです。」

 

「しかし、鬼は村を襲い、略奪の限りを尽くしてきた。ここでお前の恩を聞いたところで容易く和睦などできぬ」

 

「わかっております。ただで和睦など望んでおりません。私の命を差し出しましょう。赤鬼の恩を返し、愛するあなたから殺められるならば悔いはありません。」

 

「お前……」

 

静かだった。とても静かだった。

誰もが永遠とも思えるその沈黙を破って桃太郎が口を開いた。

 

「赤鬼よ、私は貴様が行った非道を許すことはできん。だがキジの言葉に免じてお前を誅するのは止める。」

 

だが赤鬼は和睦を受け入れなかった。

「人間は一時の情愛ですぐに流される! だから奪われることしかできんのだ。わしはお前に何一つ奪われはせん。キジの言葉など知るものか!」

そういうと赤鬼は崖の方へ走り、その身を海に投げた。

 

「終わったか……」

誰かがそうつぶやくと、他の鬼たちは静かに自分たちの家に帰って行った。

犬が後を追って城に入ってきたが、残ったのは桃太郎と3匹だけであった。

 

「すまん、鬼との和睦は叶わなかった」

桃太郎が謝ると、3匹は言った

「これしか道はなかったのです。」

誰もが避けられぬ運命であったことは承知であった。

 

そして桃太郎は言う。

「犬よ、お前の事を売女などと罵ってすまなかった。お前の見せてくれた愛情が私をここまで生かしてくれた。感謝するぞ。そしてあの門の大鬼は本当にお前を欲している。その愛を受け、お前は添い遂げるがよい」

 

犬は深く感謝し、快諾した。

 

「キジよ、お前の言葉があったからこそ、私は無駄な殺生をせずに済んだ。そしてここの鬼たちにはお前のような慈悲の心が必要だ。ここで彼らを見守ってやってくれ」

 

キジも自身の愛着のあるこの島に残ることを望んでいた。

 

「そして猿よ、お前は俺が憎悪の目を向けようとも最後まで見捨てなかった。その深い忠誠心に感動した。どうか、私のそばにずっといてはくれんか。」

 

猿は涙を流しながら言った

「ありがとうございます。しかしそれはできません。」

 

桃太郎は耳を疑った

「私では不足であったか」

 

「いえ、めっそうもございません。しかし、形の上とはいえ私は桃太郎様を一度裏切った身。猿としてこの上ない恥を犯した気持ちでいっぱいです。どうか、私の事など忘れて新しいおなごを娶りなされ。」

 

桃太郎はもう何も言わず静かにうなずいた。

 

 

帰ってきた桃太郎 

そうして桃太郎は一人鬼が島を後にした。

この短い間にたくさんの事が起こった。

なにか、心にぽっかりと穴が開いたようであった。

 

あの日、あの時、種は違えど激しい“心の目合い”があった。

その中で覚えた始めての嫉妬、そして裏切り、憎悪の心……

それらを体験して桃太郎は一つ大きな“雄”として村に帰ってきた。

 

3年後―

遅いながらも彼は人間の妻を娶り、暮らしていた。

平凡で怠惰な日常を過ごしながら時折彼は思いだす、あの燃えるような6つの眼差しと心の目合い”を。

 

そしてつぶやく

 

「愛をくれ」と。

 

 

 

 

あとがき

 最初は官能小説っぽさを出すために無理して何でもいやらしく書こうとしたんだけど、途中で熱い展開に発展して武論尊っぽくなってしまった!!

 

一つのお話を一貫して書ききるって難しいなあ

 

 

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