にちプチ 【Nichi-Petit】

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にちプチ 【Nichi-Petit】

日常のプチ情報やプチンときたことを書きなぐるブログ

富士サファリパークでナショジオなみに密着したので振り返る

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夢をかなえるゾウ!

 

 これは、とにかく『泳ぐゾウ』を見たいがために命をかけた人間たちの物語である……

 

8月28日朝

せいじは久しぶりの遠出に心を躍らせていた。

レンタカーを借りて、富士サファリパークに『泳ぐゾウ』を見に行こうという、嫁からのたっての願いを叶えるべくの遠出である。

 

足を骨折して4ヶ月……

思えば嫁には迷惑をかけっぱなしであったので、何かしらの形で恩返しができないかと思っていた矢先の嫁からの提案。

 

金も力もない俺が今唯一見せられるのは、ペーパーで運転ができない嫁の代わりにレンタカーを転がすくらいだ。

俺は握りしめた拳に力を込めて起き上った。

昨日飲みすぎて痛い頭なんてどうでもいい。ただ『泳ぐゾウを見たい』というささやかな願いを叶えるランプの精になりたかったのだ。

 

しかし、神様は簡単にその願いを叶えてくれようとしない。

なんと台風10号が進路を変えて伊豆諸島あたりにまた戻ってくるとか来ないとか?

いやそんなことはどうでもいい! とにかく天気が良くないというのが重要だ!

 

「ゾウは暑くないと泳がないんだって……」

 

朝出かける前から嫁は異様にテンションが低い。

彼女はとにかくゾウが見たいのだ。その心は、ライオンが目の前で歩き回っていようが、トラが自分の前でお肉を食べていようが全く意味を成さないのだ。

 

とにかくゾウを泳がせる―――

 

それが俺に課せられた大事な使命であった。

 

テンションが低い嫁に声をかける

 

「行ってみないとわかんないよ。泳いでくれると信じようぜ」

 

うん、何て素敵な気遣いだろうか。言っている俺が一番自信がないのを除いて

 

とにかく、行かないことには何も始まらない。

俺たちは支度を済ませ、レンタカー屋さんに急いだ。

 

 

 

 

間に合わないゾウ!

 

 とりあえず、レンタカーを借りて出発は果たした。

 

予定はこうだ

16:00まで受け付けのウォーキングサファリに参加し、そこでゾウゾーンの前で張り込みをする。そうしてゾウさんの遊泳シーンを激写するのだ。

 

うむ、作戦もへったくれもない本当にただの予定だ。

俺の力はどこにも働かない。生殺与奪はゾウが握っているのだ

 

とりあえず高速に乗る。目指すは、静岡県裾野市!

時間的には大いに余裕がある。12:30にレンタカーを借りたのだから

 

……ということで、まずここで優先すべきは体調管理。

サファリパークに着く前に消耗しつくして楽しめなければ何の意味もない。

俺たちはまず昼食をきちんととることにした。車を止めて、簡素だがSUBWAYの直火焼きタンドリーチキンとサブウェイタコスを食する。

 

うん、食事のほうはもう大丈夫! さあ出発だ!

 

なんやかんやあって、ちゃんと高速に乗り、裾野に向けて走り出す!

時間もまだまだ余裕。俺はこの辺からもうナメ始めていたのかもしれない。

 

「とりあえず2時間近く走ったことだし休憩するか」

 

高速途中のパーキングエリアで仮眠をとることにした。

 

が!!

 

 

 

 

寝すぎた。

 

 

15分寝るだけのつもりが、うっかり45分くらい寝てしまった。

車に搭載されているカーナビは優秀で、俺の運転ペースから到着までの所要時間を割り出してくれる。

 

 

 

 

【到着予定:15:45】

 

 

 

あああああああああああ!!!

 

 

スッゲェ余裕見て出てきたのに、気付けばギリギリの時間。

何とか16:00には間に合うようなのだが……これは俺が道を間違ったりしなかった場合の時間だ。

 

まだ訪れたこともない地。

車で走るなら尚更不安が募る。

俺は心の中で必死に自分を励ましていた。

 

「大丈夫、高速道路を時速200キロで走れば迷っても余裕だ!」

 

もちろん土台無理な話であり、重大な交通違反だ。

でも、そうでも思わないと余裕持てないだろ! 仕方ないだろ!

まあ、実行など出来るわけもなく、フツーに目的地を目指したわけである。

 

が。

悪い予想とは結構当たるもので……

 

カーナビ「大井松田で左ルートに入ってください」

 

俺「大井松田で左な! よし!」

 

 

 

……

 

 

しまっっったぁああぁああああぁああ!!!!!

 

そう、俺は「左ルート」ではなく、「左にある出口」に出てしまったのだ。

でもこの時点ではまだ気付いていない。

 

俺「あれ、高速下りて進んでるのに、また高速方面にルート案内が……」

 

高速を降りて10分後、間違いに気づく。ああ、なんてことだ……

しかし文句を言っても仕方がない。不安そうな嫁を横目に、俺は何とかまた高速道路に戻ってきた。

 

 

【到着予定:16:08】

 

 

あああああああああ!!!!

間に合わねええええええええええええ!!!!

 

 

だが俺はあきらめなかった。

とにかく真っ直ぐ目的地を目指し、黙々と走り続けた。

最近のカーナビのルート案内は、混雑状況や事故なんかの道路封鎖も視野に入れて時間計算をしているようで、前で起きた交通規制が緩和されたのが良かったらしい。

なんと俺たちは15:53という奇跡的な時間に到着することができた。

 

何とか間に合ったぞ! これで勝つる!

軽い奇跡を起こしたつもりの俺は、もう浮かれ始めていた。

これは泳ぐゾウどころか、玉に乗るライオンすら見れるのではないか、と。

 

 

 

絶望だゾウ!

 

 運が良かったとはいえ不可能ミッションを可能にした俺は心の中で幾度もつぶやいていた

「敗北を知りたい」

 

もうここまで来たら見れる。

水の一かきや二かきくらい見せてくれるだろう。

お前らゾウだろ? 頭いいだろ? 俺らの欲するもの、分かってくれるよな?

 

早速ウォーキングサファリの受付を済ます。

この時点での気温、体感24℃くらいだろうか。

 

ああ、これは入りませんわ。涼しいもん

 

この辺から俺も嫁も若干あきらめモードに入る。

ただ、ここまで来たら行かないわけにもいかないだろ?

たとえ負けるとわかっている闘いもやらなきゃならない時があるだろ?

 

俺たちは絶望を抱いて歩き出した。

 

 

歩いて5~10分経った頃だろうか

 

雨が降ってきた

 

 

ちなみに傘もない。

 

おお……神はここまで我らを試し給うか……

二人ともびしょびしょ。

もう投げやりというか、泣きそうになる嫁。

その時の俺はもう、なんつーかハイだったんだと思う。

 

サッカーの試合とか、雨が降ってきたりすると普段より燃えたりするじゃん?

その時の俺は一流Jリーガーなみに雨の野をつき進んでたと思う。

 

幸か不幸か、前日にちょうど靴を磨いてて、防水加工してたんだ。

泥水飛び交う中歩き続けて1ミリも汚れない靴。

さすが防水加工だ、なんともないぜ!

 

「なんだろう、俺らジュラシックパークの世界にいるみたいだな!」

そのハイな気分のままトンチンカンな事を言う。嫁は呆れながら笑ってた

 

そんなアホみたいなやり取りをしながら、程なくしてゾウゾーンに到着する。

 

おお、いるじゃんゾウ!!

 

雨は降ってきたけど、いるにはいるんだ。

ただ、泳ぐ気配は全くない。

 

そらそうよ、冷たい雨が降ってくれてるのに体力使って泳ぐバカはいない。

あいつらもそれを分かってるのか、ダラダラ雨を浴びながら餌を食べていた。

誰だってそーする。俺もそーする

 

20分ほどだろうか、ずっとゾウを見ていた。

もちろん動かない。何もしない。

 

と言うかむしろ人すらほとんどいない。

ウォーキングサファリに入って、発見した人は1組のカップルくらいだった。

そらこんな日にこんなけもの道を好き好んで歩こうとするやつの方が希少だ。

ゾウ以外の動物なんて、姿すらきちんと見ていない。

最初のクマくらいしかまともに見てなかったんだ。

 

結局雨は止まず、俺たちは絶望のうちに出口に向かう。

ナイトサファリにも行く予定だったが、このコンディションではたぶん夜も期待できない。

雨の工事現場なみに寂しい園内であった。

 

 

 

ヤケ酒だゾウ!

 

 その日は何とかホテルに戻ったものの雨振る山道はとても大変だった。

一番びっくりしたのは側道からシカが飛び出してきたことだった。

 

野生動物って、リアルに道に飛び出してくるもんなんだな……サファリパークで大した動物を見れなかった俺たちは園外でそんな感動を見つけていた。

 

俺たちは明日、東京に帰る。

はるばる150kmも遠くにやってきたのに、何もできずに東京に……

そう思うとやりきれなくなる。

 

とにかく、沈んだままではせっかくのプチ旅行も寂しいまま幕を閉じてしまう。

それだけは何とか避けたい!!

そんな俺たちがとった方法は

 

 

 

酒だああああ!!!!!!

 

 

もう飲んだね。明日の事など考えずに。(考えてたけど)

飲んで食って飲んで飲んで食って食って。

 

勢いのまま眠って、気付いたら朝だった。

 

 

 

リベンジだゾウ!!

 

 8月29日

今日は東京に帰る日。

特に予定もなく、真っ直ぐ帰るはずだった。

 

でもなんだろう、この胸騒ぎ……

ガイアが俺にもっと頑張れと囁いている。

 

ホテルを出る1時間前、俺は思い立った。

 

「もう一回サファリ行こう」

 

嫁は「は?」な顔だった。

もう失意の中、これ以上落ち込むのは辛いだろうとも思った。

でも、このままあきらめて帰るだけはもっと嫌だ!!

 

それを嫁に話すと「うう、わかった行こう」と申し訳なさそうに応えた。

 

もう後には引けない……

俺たちはリベンジに乗り出した。

 

ホテルを出ると一目散に車をかっとばしサファリパークに向かう。

このときの時間は11:00。今日の予報は、昼の3時間だけ晴れ間が見えるという予報。

 

これだ!! これしかない!!

 

到着した俺たちは早速車でサファリに入る。

まずは下調べ。車で移動するゾーンは、泳ぐゾウがよく見える場所を横切る。

そこを押さえることができればその時点でミッションコンプリートだ。

 

まだ若干天気が悪いが、走り出す。

最初の走行で俺たちに手厚い歓迎がもたらされる。

 

 

ほんとにライオンだ!!!!!

 

 

そう、ライオンが飛び出してきたのだ。

しかも道に!! 俺たちの真横に!!

 

 

 

 

目的とは違うものだけど、やっぱりテンションが上がる。

二人して「近すぎちゃってどうしよう!!」と喚く。

ただ、今回の一周では、ゾウさんが泳ぐシーンは見ることができなかった。

 

ちくしょう……

 

今度はその30分後に再アタックをかける。

もう一度車でサファリゾーンに入った。

 

もう二周目となると目的のゾウ以外は消化試合だ。

とにかくゾウゾーンまで車をサクサク進める。

 

だが、若干お昼を回って天気が回復したのと、時間帯だろうか……

一周目よりはるかに車の量が増えており、各ゾーンの見どころでは渋滞が発生していた。

 

それでも何とかゾウゾーンに差しかかったのだがここも例に違わず混雑していた。

 

「あー、こんな感じじゃもう見れないだろうな……」

 

若干あきらめムード漂う中、ダラダラと進んでいると

 

 

 

「あ!! 入った!! 入った!!」

 

なんと、俺たちがいる場所から遠い場所でゾウがプールに飛び込んだのだ!!

 

 

 

きたああああああ!!!!

俺たちは心躍った!!! エンジョーーーーーイ!!!

 

 

 

 

だが!!

 

 

泳ぐゾウが見える場所のはるか手前で停車した車が道をふさいで前に進めない!!

 

 

邪魔だあぁあぁぁあああぁぁあ!!!!

 

 

基本サファリ内って、車を完全に停めるのはNGらしくて、係員さんに「後続がいますので少しずつでも進んでください」って言われるのね。

でもその時係員さんは近くにおらず、前の車はずーーーーーーっとそこで停まってんの。

 

 

どけコラアアァアアアァアアア!!!

 

そんな俺たちの声は届くわけもなく、前の車は自分のペースでやっと動き始めた。

 

 

時すでに遅し

 

ゾウはプールを泳ぎきって、元の餌場で草食ってた。

これは草wwwwwwwww

 

 

 

 

 

じゃねーーーーーーーーーよ!!!!

 

 

俺がどんな思いでこの瞬間を待ってたと思ってんだ!!

どっちかっつーとその怒りは前の車に向けたいがな!!

 

 

失意に暮れた俺たちはしょんぼりしながら二周目を終える。

 

出口から駐車場に案内するおじさんにまた会う。(2回目)

おじさんはたぶん「こいつらまた周ってんのかよ」と思ったことだろう。

心配するな、もう一回周るぞ

 

 

ここまで来ると慣れたもんだ。

また30分ほど時間をおいて出発する。

天気は少しずつではあるが回復している。

 

 

いざ!!!

 

 

と言いたいところだが引き延ばしても仕方がないので言う

 

 

だめだったよ!!!!!!

 

 

 

もうマイカーサファリはあきらめたね。

ムリムリムリムリかたつむりだわ。

 

じゃあどうするか……?

 

 

 

 

そのとおり、またウォーキングサファリですよ!!

 

 

 

その時の俺たちはもう受付も慣れたもんだった。

だって、昨日も来てるんだもの

 

 

昨日と同じ受付の人だったらどうしようかと思ったよ。

 

とにかく受付を済まし、歩き出す。

ウォーキングサファリには、カーサファリと同じように色々なゾーンがある。

途中にトラの餌やり場があったり、クマの観察ができるガラス張りの場所があったり……みんなが楽しめる場所が満載なわけだ。

 

 

もうね、全部ガン無視

 

 

俺らが目指すのはゾウのみ!

 退かぬ! 媚びぬ! 省みぬ! 俺たちの道に「ゾウ」以外の文字はないのだ!!

途中色んなゾーンで道草を食ってる人たちを尻目にズンズンズンズン歩き続ける。

もはやマップなど見なくても進むべき道は分かっている。

 

だって昨日も来たから!!!

 

 

そして歩くこと1.9キロほど……

やっとゾウゾーンに到着!!

 

 

念のために言っとくと、1.9キロというのはけもの道の1.9キロだからな?

駅まで1.9キロとかいう都会の尺度で考えるなよ?

これ着くころには汗だくだからな?

 

 

まあそんなこんなでゾウゾーンに到着したわけだ。

 

 

 

やったゾーーーーーーーウ!!!

 

 ついにゾウゾーンでゾウさんの観察にこぎつけた我々は待ち続けていた。

それと同じように、もう一組ゾウゾーンに入ってきたカップルがいて、彼らもゾウが泳ぐのを見るためにこのサファリに来たようであった。

 

「全然泳がへんね」

 

そのカップルの彼女がガッカリ気味に彼氏に言う。

 

俺らも同じ気持ちだよ!!! 辛いよね!!!

謎の一体感を覚えながら俺たちはゾウ達を見つめる。

 

が、一向に泳がない。

 

 

30分ほど経ったろうか

そのカップルと俺たち以外の見物人はいなくなり、あたりに絶望が漂い始めた。

 

その時!!

 

飼育員さんが、ゾウに餌をやりながら誘導し始めた。

 

お! これは! まさか!!

俺たちの胸は期待でいっぱいになった。

やっと、やっと念願かなってお目当てのシーンを見ることができると。

 

ぶっちゃけこれが見れなかったらただ落ち込みに遠出しただけになるから、そら必死よ。

ゾウはプールの方まで連れられ、片足を水の中に

 

 

 

 

入 れ な い !

 

 

 

 

 

うぉおぉおおおーーーーーい!!!

もうそういうのいいからーーーーーー!!!

 

 

ここまで待っといて泳ぐ兆候ゼロですよ。

もう嫌になります。

 

 

 

さらに20~30分経った頃だろうか。

サファリパークのバスがゾウゾーンに入ってきた。

 

 

飼育員さんはコチラを見ながら若干笑っている。

そりゃそうだよね、4人の固定メンバーがずーっとゾウを見てるんだもの。

どんだけゾウ好きなんだってなるよね。

 

 

そこで飼育員さん、身振り手振りを使って

 

 

「ゾウを泳がせまーーーーーーす!!!」とメッセージを送る。

 

 

 

 

わああぁああぁあああぁぁ!!!

 

 

沸く俺ら。

たぶんサファリバスの人たちなんかより沸きに沸いてたと思う。

緊張する俺たち。カメラを構える。

 

 

 

と!!!

ここで嫁の持っていたビデオカメラが志半ばで電池切れ!!!!

 

 

あああああああああ!!!!

 

 

頼れるのは俺が持っている一眼レフカメラのみ。

しかもリクエストは、動画!!

 

これはヤバイ。一眼で動画撮るとなると、ピント合わせが不安。

オートフォーカスで迷いまくりの俺の一眼にそれは任せられないということで、頑張ってマニュアルで撮影する。

 

絶対に押さえてやる!!

 

俺は固く心に誓った。

 

 

そしてゾウさんの体がゆっくりと水場に

 

 

 

 

 

沈んだ!!!

 

 

 

わああああああああああ!!!

沸くゾウゾーン。

 

 

泳いでる! 進んでる! かわいいいいいいいいい!!

 

興奮する嫁とカップル

 

 

俺は……一心不乱にカメラを向ける!

逃すかああああああああああああ!!!!!

 

 

そうやって撮った映像がこれ

youtu.be

 

感動を分かっていただきたくて少し字幕なんか入れてみました。

 

 

どや? めっちゃ泳いでるやろ?

これ撮るのに2日かけてんのよ?

 

 

もう気分はサバンナでロケするナショジオスタッフ。

なかなか合わないピントに悪戦苦闘しながら何とかその雄姿を画面に収める。

 

 

 

エピローグだゾウ!

 

 こうして俺たちは『泳いでいるゾウを見る』という簡単そうで(今の時期)なかなか見れない貴重な瞬間を目の当たりにすることができた。

 

これもひとえにあきらめず、自分の思った道をひたすら信じて追い続けた賜物だと思う。

この達成感を胸に俺は9月から新しい職場で頑張ってみようと思う。

 

 

 

 

え、新しい仕事? まだ決まってねーーーーーよ!!!!

 

追記:決まりました☆

 

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